Saturday, April 29, 2006

 

大企業と大国による「アジア統合」に異議あり!
=人々のアジアを足元からつくるシンポジウムの呼びかけ=

 WTO(世界貿易機関)とFTA(自由貿易協定)が進める自由貿易のもとで、あらゆるものを勝ち組みと負け組みに分断する市場競争社会が地球の隅々にまで広がっています。とくにアジアでは、日本・アメリカ・中国など大国が国益と経済益をふりかざして市場獲得競争にしのぎをけずり、それぞれの利害をかけて地域の統合と再編を進めようとしています。

人々の暮らしはその流れに飲み込まれ、足元では土砂崩れが起きています。拡大する格差、社会から切り捨てられる人々、土地を奪われる農民、環境破壊などなどです。

 このことは、日本を含むアジア全域で、普通に生きる人々が同時代を同じ状況のもとで生き、同じ問題に苦しみ、同じ課題を背負っていることを意味します

 こうしたアジアに生きる普通の人々どうしの共生を求め、6月17日(土)午後、韓国、タイ、フィリピンで活動している人たちを招き、アジアレベルの課題と運動を話し合うシンポジウムを開催します。このシンポジウムは今年12月合意をめざして進んでいるWTO交渉(ドーハラウンド)に対する運動であると同時に、FTA/EPA(経済連携協定)をテコに進められている「アジア統合」への異議申し立てでもあります。

グローバル化推進に向け大きな役割を果たしている世界経済フォーラム(WEF、通称ダボス会議)が、6月15-16日に東京で「アジア統合に向けた新たなる枠組みの構築」をテーマに東アジア会議を開きます。受入れ団体は経済同友会で、会議には日本・アジア各国・米国の経済界、政府首脳、学者・ジャーナリストたちが集まります。

WEF東アジア会議は2004年6月には韓国・ソウルでも開かれ、これに抗議して日本からの参加者を含め1万人以上が集会やデモ、討論会を行ないました。今回の東京での会議開催に際し、私たちはこのシンポジウムを対置し、その問題点をアピールしていきたいと思います。

脱WTO草の根キャンペーンは6・17シンポジウム開催に向け、実行委員会への参加・賛同を呼びかけます。より多くの個人・団体に参加・賛同いただき、シンポジウムを成功させたいと願っています。たくさんの方の参加・賛同をお願いします。

脱WTO草の根キャンペーン実行委員会
連絡先 住所:〒113-0001 東京都文京区白山1-31-9 小林ビル3F ATTAC気付
       電話:03-3813-6492  FAX:03-5684-5870
       Email:ower-derail_wto@freemal.com
       郵便振替口座:00190-7-2500  加入者名:脱WTOキャンペーン


【これからに向けて】
●6・17シンポジウムについての構想(現在までの準備状況)
 日時:6月17日(土)午後1時30分~5時30分
 場所:文京区民センター2A大会議室
   東京都文京区本郷 4-15-14
地下鉄丸の内線 後楽園駅から徒歩3分 都営三田線 春日駅から徒歩0分
JR 中央線 水道橋 駅より徒歩10分
 報告と討論:
    報告者 フィリピン:ジョセフ・ブルガナンさん
           (ストップ・ザ・ニューラウンド・コアリション)
        タイ:Kingkorn Narintaraku(FTAウオッチ)
        韓国:交渉中(「WTO/FTAに反対する韓国国民運動」関係者を予定)
        日本:検討中
 参加費:800円


●6・17シンポジウム第1回実行委員会
シンポジウムのための第1回実行委員会を下記のように開きます。ぜひご参加ください。
日時:5月10日(水)午後6時30分~
場所:総評会館5階501会議室
    東京都千代田区神田駿河台3-2-11 電話:03-3263-1711
    JR御茶ノ水駅徒歩5分/東京メトロ淡路町・新御茶ノ水駅、都営地下鉄小川町駅いずれもB3出口前
議題:「人々のアジアをつくる6・17シンポジウム」について


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人々のアジアを足元からつくる6・17シンポジウム実行委員会に

◆参加・賛同します。
(参加・賛同費は1口個人1000円・団体3000円、できれば複数口をお願いします)

お名前(個人又は団体名):               
ご連絡先(住所又はFAX又はEmail):
お名前の公表:  可      否

《参加・賛同費振込先》 
郵便振替口座:00190-7-2500  加入者名 「脱WTOキャンペーン」

連絡先=FAX:03-5684-5870
     Email:ower-derail_wto@freemal.com

Wednesday, April 26, 2006

 

4月13日に脱WTOシンポ「格差社会の足元から=WTO社会を見据える=」を開催

脱WTO草の根キャンペーンは4月13日夜、文京シビックセンターでシンポジウム「格差社会を見据える」を開いた。いま足元で起こっている現実を、WTOが進める経済のグローバル化・市場競争社会化とつなげて考えようという趣旨。須藤和広さん(郵政労働者ユニオン)「民営化の職場の現実」、三好和子さん(全統一千葉市非常勤職員組合)「非正規労働者の悲哀」、白川祥二さん(北海道農民連盟)「コメも牛乳も誰も作らなくなる日」、荒木剛さん(日雇全協山谷争議団)「野宿者の現場から」の5人の報告を請け、討論を行なった。

 須藤さんは配達労働の日々の経験をもとに、非正規職の増加、受け持ち区域の拡大、生活の支えだった過疎地の郵便局の撤退などが急速に進んでいる実態を語った。

三好さんはご自分の職場である公立図書館では非常勤職員が正規職の3倍に達する中で、サービスの低下や賃下げといった深刻な事態が進行していると話した。

白川さんは農産物自由化による米価の値下がり、国際競争力をめざしての規模拡大による借金の重圧など米作農民としての自分の経験をもとに報告した。

荒木さんは野宿者が次第に追い詰められ、最後の砦である公園からも排除される実態を話した。区職員が夜中に巡回して眠らせないようたたき起こすなどの状況が続く中で、いま新規流入禁止地域(公園)の小屋をつくる新しいたたかいが始まっているという。(大野和興記)

◆このシンポジウムについては「レイバーネット」が詳しく報道しています。下記サイトをご覧下さい。

レイバーネット

Saturday, April 22, 2006

 

「WTOは混沌状態、運動は成果をを上げているぞ」
=WTO市民連絡会が外務省と意見交換= 

WTO市民連絡会は4月14日、外務省担当課長などと、WTO交渉の全般的状況とサービス分野等の課題についての意見交換を行った。これは、4月末に農業分野などで交渉の大枠を決めるモダリティをまとめることが予定されていることから、行われたもの。外務省国際貿易課長などは、交渉状況として、農業の市場アクセス(関税削減等)、国内支持(農業補助金削減)、非農産品市場アクセス(鉱工業品関税削減)の3つの論点で膠着状態にあることから、「4月末でのモダリティ決着は難しい」との見方を示した。

 今後については、アメリカの中間選挙(11月)や大統領貿易促進権限の失効期限(07年7月)などをにらんだ期限の設定がされる見通しだが、長期交渉になることも予想されている。

 サービス分野の交渉では、香港会議で複数国間交渉の共同リクエスト方式(プルリ交渉)が合意されたが、これによってサービス分野で立ち遅れている途上国ではサービス産業を育成することができず、また貧困層にサービスが行き届かなくなることや、日本でもサービスの自由化が市民へのメリット・デメリットを明らかにすることなどを求めた。

 外務省サービス貿易室長からは、「サービス貿易自由化は参入者に対する内外の差別を無くすことであって、規制の緩和をすることではない。自由化に対する規律は各国が決めるべきこと」とし、「日本はほとんどの分野の自由化がされているが、水道などの公共サービスの自由化は認めないので、国民生活への影響はないと思う」と述べた。また、「集団交渉方式は問題点が整理されることから、途上国も参加しやすくなる。外資の投資制限は途上国にとっても不利なこと」などと、自由化推進を強調した。

 なお、日本が他国に要求している交渉分野としては、建設、海運、電気通信、郵便、音響・映像、金融など15分野にわたり、逆に要求を受けている分野では、航空、越境取引、教育、農業関連サービス、人の移動の5分野となっている。

 途上国開発問題でも討論され、日本政府が進める「開発パッケージ」は、後発途上国(LDC)については香港でまとまったとし、夏頃までにそれ以外の途上国全般の対応をまとめるとした。従来のODAとの違いとして、「途上国が輸出できるものを作るための援助」の概念を強く打ち出した。

 しかし、こうした交渉が市民の知らないところで進められていることは大きな問題であり、今後とも意見交換を続けていくことが重要になっている。

(平和フォーラム 市村忠文記)

Sunday, April 16, 2006

 

ボリビア政府、WTOサーブス交渉から水を取り下げることを要求

秋本です。
ボリビア政府は、2つの書簡をWTO本部に送り付けました。

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■ボリビア共和国WTO特命大使から、水の撤回を要求する書簡

2006年3月17日

WTO事務局長 殿

私は貴殿に、ボリビア共和国モラレス大統領が率いる新政府にとってきわめて重要な問題の一つに注目していただくためにここに書簡をお送りいたしました。その目的とするところは、すべての人に、水にアクセスする人権を保証するために、統合かつ持続可能な政策の一部として、すべての用途およびサービスにおいて自国の水資源を規制する各国の主権を再確認するためです。

その理由から、我々ボリビアは行政府内に水省(Ministry of Water)を設立いたしました。任務および構成については、添付のブックレットをご参照ください。

この点につきまして、私は、WTO貿易交渉委員会議長である貴殿に、我がボリビア政府から以下の要求を通知いたします。

* GATSにおいて飲料水に関するあらゆる交渉を中止すること。
* WTOが分類した155件のサービスから飲料水部門を取り下げること。

敬具

M.C. Guadalupe Palomeque de la Cruz
ボリビア政府WTO大使

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■ サービスにおいてオファーの撤回を要求する書簡

2006年3月17日

ハミド・ママドゥWTOサービス交渉議長 殿

私は貴殿に、特別セッションでサービス交渉委員会内で配布されている以下の文書を正式に撤回するボリビア政府の決定を通知するために書簡をここにお送りいたしました。
* 2005年10月27日付TN/S/O/BOL/Rev.1 of 27 October 2005(条件付改定オファー)
* 2003年9月29日付TN/S/O/BOL of 29 September 2003(条件付初期オファー)

本書簡を加盟国に配布してくださるよう宜しくお願い申し上げます。

敬具

Guadalupe Palomeque de la Cruz
ボリビア政府WTO大使

Monday, April 10, 2006

 

中川農相「農業交渉で妥協の用意」、フィナンシャル・タイムズで語る

(以下はAMネット川上さんの翻訳です。wtongoの、メーリングリストからの転載です)。

日本、「貿易に関する立場で譲歩の容易」
Japan ‘ready to concede ground over trade’
By David Pilling in Tokyo
2006年3月22日 フィナンシャル・タイムズ

 日本の農業担当大臣によれば、日本は貿易自由化協議を終結することに貢献するために、農産物での更なる譲歩を行う用意があるが、ブラジルのような他の国々が、堅固に身を固めた立場から動かない限り、その『トランプカード』は明かさないという。
 フィナンシャル・タイムズとのインタビューで、中川昭一氏は、日本は非農産物輸出国として、農産物貿易自由化から何も得るものがないので、守勢にあった。しかし、時期を得て、「農業でのカードを見せることもできる」と中川氏は述べた。
 中川氏は、以前にも農林水産大臣になったことがあるが、10月に農業担当大臣職に指名された。また、彼は前貿易担当大臣であったので、伝統的に、保守的な農林水産省に対して、より自由化された貿易アジェンダを持ち込むという憶測も膨らんだ。
 農林水産省の高関税による日本の食糧安保、農民の保護という使命ために、これまで、多くのコメンテーターからは、農林水産省は貿易自由化の障害として見られていた。
 他の国々に有望(encouraging)と評されるものだったが、今年、日本政府は日本の老齢農民への補助金とその生産高とのリンクを分断することを目的にした法案を国会に提出した。緑の政策として知られている、新しい支払い方法は世界貿易機関からは貿易歪曲的なものとは考えられていない。
 中川氏は、「日本はWTOというクラスでの最優秀優等生の一人だ」とも述べた。彼は、これが、生産物の多くを輸出する農業者に直接補助を行っている米国のような他の国々を批判するための権利を与えてくれると述べた。
 日本の農業担当大臣は、いわゆるG20という途上国グループの国々を代表するブラジルが、インドとともに、今年末までに終結することになっているドーハ・ラウンドの貿易協議を打開するための重要な鍵になっていると述べた。
 ブラジルや他の国々は、日本が農業での手を見せる前に、非農産物市場アクセスでの譲歩を行うべきだと、彼は述べた。
 日本が、コメや皮革といった非常に保護された分野での譲歩を行うことによって、この膠着状態を崩していくべきだという主張を否定しつつ、「われわれは、提案を同時にテーブルに載せなければならない」と述べた。
 「もしも先に持ち手を明かしてしまうならば、相手はそれを前提として、さらなる譲歩を求めてくる。」
 オーストラリア、ブラジル、インド、日本、EU、USといった「G6」の大臣によるロンドンで今月行われた会議のことに触れて、中川氏は、ブラジルは非農産物での重要な譲歩を行うことによって、この膠着状態の交渉を打ち破るところまで来ていた。
 日本とオーストラリアは、開き直ってブラジルの提案を受け入れた。その点で、ブラジルの外務大臣であるCelso Amorimは、その提案を取り下げてしまったと述べた。

Financial Times, Wednesday March 22 2006
Japan ‘ready to concede ground over trade’
By David Pilling in Tokyo

Japan is prepared to make further concessions on farm products to help
conclude trade liberalization talks, but will not reveal its “trump card”
until other countries, such as Brazil , budge from entrenched positions,
according to the Japanese farm minister.
In an interview with Financial Times, Shoichi Nakagawa said Japan was on
the defensive because, as a non-farm exporter, it had nothing to gain from
agricultural liberalization. However, when the time was right, Mr Nakagawa
said, he would “be able to show my trump card in agriculture”.
Mr Nakagawa, who was appointed to the farm portfolio in October, has served
as farm minister before. He is also a former trade minister fuelling
speculation that he might bring a more liberal trade agenda to the
traditionally conservative agriculture ministry.
In the past the ministry has been seen by many commentators as an obstacle
to trade liberalization because of its mandate of protecting Japan’s food
security and its farmers through high tariffs.
This year the Japanese government has introduced legislation to parliament
aimed at severing the link between subsidies paid to Japan’s aging farmers
and the amount they produce, a move described as encouraging by other
countries.
The new form of payments, known as green-box payments, are considered non
trade distorting by the World Trade Organization.
Mr Nakagawa said: “Japan is one of the best students in the class of the
WTO.” He said that this gave Tokyo the right to criticise other countries,
such as the US, which he said directly subsidised farmers, who exported much
of their produce.
Japan’s farm minister said Brazil which, together with India, represents
the so-called G20 developing countries, was an important key to unlocking
the Doha round of trade talks, due to be completed by the end of this year.
Brazil and other countries, he said, must make concessions on
non-agricultural market access before Japan could show its hand on
agriculture.
“We have to place our proposals on the table simultaneously,” he said,
rejecting assertions that Japan should break the deadlock by making
concessions on heavily protected sectors, such as rice and leather.
“If you are the first, then others will just pocket that proposal and ask
for more.”
Referring to a meeting this month in London of ministers from the “Group
of Six”- Australia, Brazil, India, Japan, the EU and the US-
Mr Nakagawa said Brazil had come close to breaking the deadlock by offering
important concessions on non-farm goods.
He said Japan and Australia had called Brazil’s bluff by accepting the
proposal, at which point Celso Amorim, the Brazilian foreign minister, had
withdrawn the offer.

以上

Sunday, April 09, 2006

 

脱WTOシンポ「格差の足元から=WTO社会を見据える=

日時:4月13日午後6時30分~8時30分(6時開場)
場所:文京シビックセンター地下2階A・B会議室
     (東京都文京区 東京メトロ・丸の内線「後楽園」、都営地下鉄「春日」、JR「水道橋」)
内容:格差の足元からの報告と討論
     非正規労働者の悲哀/野宿者の叫び/民営化の職場の現実
     /コメも牛乳も誰も作らなくなる日/シャッター通りの商店街
主催:脱WTO草の根キャンペーン実行委員会
協力:平和フォーラム/日本消費者連盟/ATTAC-JAPAN/全国農民組織連絡会議/郵政ユニオン
 WTO(世界貿易機関)はいま、世界150カ国の政府とともに、自由貿易の新しい枠組みを
つくる交渉を精力的に進めています。農林水産、工業、第3次産業や弱者のための公共
サービスなどあらゆる部門を私企業にゆだね、市場で競り合わさせる現実を地球規模で
つくりあげるための交渉です。

 WTO社会ともいうべき現実は、すでに世界を覆っています。容赦ない市場競争がもた
らす環境破壊、貧しさや飢餓の拡大、そこから生れる絶望と憎悪、紛争などです。この
日本の社会でも、雇用の縮小と働くものの格差の拡大、地域社会の解体、農林漁業の
衰退、社会からはじき出される人の増大など、WTO社会は足元の現実として、私たち
に迫っています。

 この現実を見据え、どう対抗し、”そうではない世の中”をつくっていくか、を考えるシン
ポジウムです。ふるってご参加ください。


   

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